村上和雄筑波大学名誉教授と阿部博幸医学博士・九段クリニック院長との対談を収録した『生きている。それだけで素晴らしい−遺伝子が教える「生命」の神秘』(2004年11月1日初版発行 PHP研究所)と題するたいへん深い内容の本があります。
村上先生は1983年高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子解読に成功、世界的な業績として注目を集めた遺伝子研究の第一人者であり、いっぽう阿部先生は「今後は日本が世界をリ−ドしていかなければならない」との提言から1999年に国際統合医学会を設立された現役の外科医です。実は、昨年7月11日(日)に東京大手町サンケイプラザで開催された第5回国際統合医学会において阿部理事長のお勧めにより私(林)は「水素豊富水の概念−その有効性について」と題する基調講演を行ったという経緯があり同書を寄贈いただいたという次第です(詳しくは、第5回国際統合医学会講演内容をご参照願います)。 |
○ サムシング・グレ−ト(偉大なるもの) |
ところで村上先生は、「あなたが生まれてくる確率は、1億円の宝くじに100万回連続して当たったのと同じである。人間として生まれたということは、それだけでエリ−ト中のエリ−トだといえるわけです。ただ、残念なことに私どもの遺伝子のスイッチはほとんどがオフになっています。それを、オンにすることができれば、人間はみんな自分の花を咲かせることができるのです。私たちの遺伝子情報は約三○億の塩基という化学の文字で書き込まれていますが、それが一グラムの二○○○億分の一という極微の空間に書き込まれているのです。これを可能にしたのは人間ではなくサムシング・グレ−トの働きと言わざるを得ません。眠っているよい遺伝子をオンにするために大切なことの一つは、自分の命、自分の生きていることが、いかにすごいものであるかを知ることであると思っています。私はこのことを、科学の現場で実感しております。・・・」と述べておられます。 |
○ 最始原の元素・水素 |
ところで『元素111の新知識』(桜井弘著 講談社)の「水素」の項目には「水素は最も基本的な元素であり、その原子核は陽子一個のみで中性子はない。水素は宇宙空間に最も豊富に存在する元素であり、他の元素はすべて水素原子から、宇宙創成のビッグバンのとき、核融合反応によって生まれたと考えられる。太陽は水素の巨大なかたまりである。水素原子からヘリウム(He)
ができる核融合反応が今もおこり、発生するエネルギ−が太陽の光や熱の源となっている。・・・」と記されています(下線 筆者)。
さて「他の元素はすべて水素原子から・・・生まれた」のですから、もし初めに水素原子の誕生がなかったと仮定すれば、他の元素も一切生まれていなかったことになりますから地球上の生物も一切誕生していなかったことになるわけです。この意味において、水素は「みなもと」と呼ぶべきであり、その役割は深くて重いと考えられるのです。
ところで村上先生の言われるサムシング・グレ−トを動かす、つまり眠っている遺伝子のスイッチをオンにするのが水素原子ではないか、と私には思えてならないのです。
つまり、普段はオフになって眠っている遺伝子が水素原子によってオンになった結果サムシング・グレ−トが発動し、やがてとても治らないと思われていた難病が快方に向かうことになるのではないか、と思えるのです。言い換えますと、そのように考えないことにはとても理解できないような不思議な治癒例を数多く観察してきたということなのです。 |