月刊誌『文藝春秋』の12月号に「検証 不老の健康学」という特集記事が掲載されています(282〜316頁)。内容は、@体を温めれば病は治るのか(石原結實)Aアガリクスの効果を判定する(坪野吉孝)B野口整体入門体験記(整体協会本部道場)C介護要らずのパワ−リハビリ(きたざわ苑)Dガン患者を癒す帯津式代替療法(帯津良一)となっております。当会に寄せられる医療相談でもアガリクスの愛飲者が大変多いのですが、上記特集Aの記事にも「がん患者の多くが、病院での治療に加えて、健康食品をはじめとした代替療法をとり入れている。2002年度の厚生労働省研究班の調査では、がん患者の46%が代替療法を試みたことがあり、うち90%が健康食品で、なかでも60%の人がアガリクスを飲んでいた。健康食品に使う金額は、月に平均五万七千円、多い人では二十万円以上に上るという。アガリクスとは、別名ヒメマッタケ、学名アガリクス・ブラゼイ・ムリルという、ハラタケ科のキノコである。他のキノコ類や酵母製品と同様、β(ベ−タ)−D−グルカンという成分が含まれており、培養細胞や動物の実験から「抗がん作用」があるといわれる。日本では大手の医薬、食品、化粧品メ−カ−なども「健康補助食品」と称して数千円から数万円の製品(商品化されたサプリメント・タイプのアガリクスの定価は、七千五百円程度から四万三千円程度)を販売している・・・」とあります。 |
○ アガリクスの功罪
|
さてアガリクスに対する坪野吉孝東北大学大学院教授の見解は次のようなものです。
−「医学中央雑誌」というデ−タベ−スで「アガリクス」と「がん」をキ−ワ−ドにして検索すると過去約20年間に500万件の研究報告がある。その他重要な外国の研究も確認した結果61件の研究報告があったがうち51件は動物実験で、実際に人を対象とした研究は10件しかなく、うち論文として発表されているのは7件だけで、3件は学会発表である。それら論文発表の7件も、臨床医学の研究で最も重要な「ランダム化比較試験」に当てはまる研究は2件だけで、残りの5件は「症例報告」である。そして坪野教授の結論は「私が調べた範囲では、アガリクスを飲んだことで明らかにがんが縮小したとか、治癒したという症例報告は1例も見つかりませんでした・・・」というものです。
また教授は「冒頭と同じデ−タベ−スで調べたところ、健康被害や副作用としては腹部膨満感と下痢、皮膚の障害、呼吸困難(肺炎)、深刻な例としては肝障害が6例報告されており、なかには劇症肝炎を引き起こして7日後に息を引き取った人もいる。・・・決して100%の安全性が保証される食品ではないことを指摘しておきたい」としている。
|
○ 水素は理想的な抗酸化物質 |
さらに教授は「また、ビタミンEは抗酸化作用があって、動脈硬化や心筋梗塞の予防につながると言われていたのですが、現在では少なくともある程度動脈硬化が進んだ段階の人は、心筋梗塞の予防にはならないと認識されています・・・」とも述べています。
ところで私の考えるには、抗酸化作用を有する物質は活性酸素を還元消去すると同時に、自らは活性酸素によって酸化作用を受ける結果、新たに別の酸化物質を作り出すことになり、この新酸化物質が健康被害や副作用を引き起こすことになると思われるのです。
これに対して、私の提唱する水素(活性水素)は活性酸素を消去した後はただの「水」になるだけですから健康被害や副作用の心配はまず無用であろう、と考えられるのです。 |
|