○ 門脈→肝臓→全身
経口摂取された飲食物は消化管の中を運ばれていくうち順次消化作用を受け、消化された栄養分・代謝産物はやがて大腸の壁から吸収され門脈を通って肝臓に送られ、肝臓で様々な代謝を受けたのち肝静脈さらに下大静脈を経て全身に運ばれていきます。

いま仮に口から肝臓に至るまでの器官を「肝前器官」、肝臓から抹消の器官を「肝後器官」と名づけますと、肝前器官の状態が肝後器官の健不全を決めるといえましょう。
(1)肝前器官が健全なとき
肝前器官が健全なとき、つまり腸内容物(排泄される前の便)の性状が悪臭のないきれいな状態のときは発がん物質・病原性物質が肝前器官に存在していないことを意味します。
したがって、がんのみでなく他の病気発生の危険性も小さいといえるのです。
(2)肝前器官が不健全なとき
結論からいいますと、現在何らかの病気で闘病生活を余儀なくされている人というのは自身の「肝前器官」つまり大腸内に病気の原因となる物質を抱えているといえるのです。
大腸内の発がん物質は門脈を経て肝臓に運ばれますが、単に肝臓にがん転移を起こすのみでなく、肝臓からさらに肝静脈を経て下大静脈に入りますと、やがては大循環によって全身に運ばれていくことになるのです。
具体的にいいますと、脳組織に運ばれていけば脳腫瘍、肺組織に運ばれていけば肺がん、腎臓に運ばれていけば腎臓がん・・・といったように、全身循環に入り込んだ発がん物質は全身のどの部位であれ転移することになるのです。
○ 山極論文の普遍的意味
前回述べた山極博士のメッセ−ジを筆者なりの表現に言い換えますと、「大腸(肝前器官)に発がん物質を含む悪臭便を放置している人は、早晩大腸がんに追い込まれることになります。それだけでなく肝後器官のどこにがんが転移していくか見当もつきませんよ」という空恐ろしいメッセ−ジになるわけです。
このメッセ−ジに素直に耳を傾け、その意味するところを深く理解するように努めれば、単に「大腸がん」の恐怖から解放されるのみでなく、大腸がんの全身転移によって起きるその他多くの全身各部のがんの恐怖からも解放されることになるのです。
肝前器官を常に健全な状態に維持するための方策として筆者が提唱しているのが普段飲んでいる水道水を簡単な方法で水素の豊富な水に換えてやるという単純な方法です。
そのために必要な経費も1カ月あたり千円程度に過ぎません。
1世紀近く前の先達が生んだ偉業に基づく提言を、私たち日本人は誇りを持って広く世界に啓蒙すべきだと考え筆者はその普及に努めているという次第です。