■第七章.水素分解酵素とは
水素分解酵素」とは、分子水素を原子水素に分解する酵素のことをいいますが、私たちの体内にはこの水素分解酵素が備わっているらしいと考えられるのです。
ところで、地球上の生物はすべて植物も動物も「DNA生物」と総称されています。
これは、地球上の生物すべてがDNAという遺伝子情報を共有しているということを意味しています。言い換えますと、私たち生物は「単一共通祖先」を有している、つまり私たちのご先祖様は「ただ一つ」だというわけです。
では、ここで今から三八億年前誕生したご先祖様について記すことにしましょう。
「NATURE」という英国で発行されている世界で最も権威ある科学誌がありますが、この97年第385巻第126頁に「生物による水素の活性化」と題するアムステルダム大学のR.P.Happeの論文が掲載されています。その要点は次のようなものです。
「水素分解酵素とは、分子水素を可逆的に分解して原子水素をつくることのできる酵素 のことをいう・・・バクテリアの一種である( Desulfovibrio gigas)のもつ<Ni/Fe・水素分解酵素>の結晶構造は1995年に報告されている。<Ni/Fe・水素分解酵素>は最古の酵素(三八億年前)の仲間であるが、分子水素を効率的に活性化する(原子水素をつくる)方法を発達させていたことがわかる」という内容の論文です。
この論文を私なりに説明しますと次のようになります。
@生物の生存を脅かすのは「活性酸素」である。
A生物が生存を図るためには、「活性酸素」を消す機序を発達させる必要があった。
B「活性酸素」を消す最良の方法は「原子水素(活性水素)」である。
C「原子水素(活性水素)」をつくるには「分子水素」を分解する必要がある。
D三八億年前登場したバクテリアのもつ「分子水素」を分解して「原子水素(活性
水素)」をつくる「水素分解酵素」は、最古の生命体が開発した最古の酵素である。
生物は自らの生存を図るために「活性酸素」を消すための「活性水素」をつくる(分子水素を分解して原子水素をつくる酵素を開発する)能力を身につけなければならなかったわけですが、三八億年前誕生した最古のバクテリアの開発した「水素分解酵素」は、それら水素分解酵素のうちの一つである。そして、この水素分解酵素とは私たち高等生物が備えている「抗酸化酵素」の元祖であった、と考えることができるのです。
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