第九章 食品添加物の恐怖
昨年十一月に出版されたばかりの『食品の裏側』(安部司著 東洋経済新報社刊)という本がすでに五十万部を越すベストセラーを続けています。
同書の帯コピーには《食品添加物の元トップセールスマンが明かす食品製造の舞台裏知れば怖くて食べられない》と大書されています。
ショッキングな内容ですが、一例として三七頁の記述を次に転載してみましょう。
>>>ドロドロのクズ肉が30種類の添加物でミートボールに蘇る
そのミートボールは、スーパーの特売用商品として、あるメーカーから依頼されて開発したものでした。発端はそのメーカーが、「端肉」を安く大量に仕入れてきたことでした。端肉というのは、牛の骨から削り取る、肉とも言えない部分。現在ではペットフードに利用されているものです。このままではミンチにもならないし、味もない。しかしとにかく「牛肉」であることは間違いない。しかも安い。この端肉で何かつくれないか、と私に相談がきたのです。元の状態では形はドロドロ。水っぽいし、味もなく、とても食べられるシロモノではありません。これを食べられるものにするにはどうしたらいいか―そこが発想の出発点でした。
まず、安い廃鶏(卵を産まなくなった鶏)のミンチ肉を加え、さらに増量し、ソフト感を出すために、「組織状大豆たんぱく」というものを加えます。これは「人造肉」とも言って、いまでも安いハンバーグなどに必ず使われています。これでなんとかベースはできました。しかしこのままでは味がありませんから、「ビーフエキス」「化学調味料」などを大量に使用して味をつけます。歯ざわりを滑らかにするために、「ラード」や「加工でんぷん」も投入。さらに「決着剤」「乳化剤」も入れます。機械で大量生産しますから、作業性をよくするためです。これに色をよくするために「着色剤」、保存性を上げるために「保存料」「pH調整剤」、色あせを防ぐために「酸化防止剤」も使用。これでミートボール本体ができました。これにソースとケチャップをからませれば出来上がりなのですが、このソースとケチャップも、いわゆる「市販」のものは使いません。そんなことをしていたら、採算が合わず値段を安くできないからです。・・・
まさに背筋の寒くなるような記述が延々と続きますが、怖いもの見たさの心境からかついつい読み進んでしまうという迫力満点の本ではあります。
ところで、皆様方はなにか有効な添加物対策をお考えでしょうか?
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第十章 私の解決策 --->>>
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