■第五章 水素を分解する酵素
活性酸素を消去できるのは原子水素(活性水素)であって分子水素ではありません。
ところが活性水素の寿命は極めて短くたった数秒ですから、実際には「活性水素を含む水」など存在しません。したがってまた飲むこともできないわけです(なお「活性水素を含む水」という謳い文句の水製品が横行していますので注意が必要です)。そこで私の考えは「分子水素の豊富な水を飲めばよい」というものです。次にその根拠を述べます。
「NATURE」(ネイチャー)という英国で発行されている権威ある科学誌がありますが、この97年第385巻第126頁に次のような興味深い論文が掲載されています。
アムステルダム大学の R.P.Happe その他による論文ですが、タイトルは「生物による水素の活性化」というもので、その要点は次のようなものです。
「・・・水素分解酵素とは、分子水素を可逆的に分解して原子水素をつくることのできる酵素のことをいう・・・バクテリアの一種である(Desulfovibrio gigas)のもっている<Ni/Fe・水素分解酵素>は最古の酵素(38億年前)の仲間であるが、このことから原始の生命体は適度の温度およびpHの下で、分子水素を効率的に活性化する(原子水素をつくる)方法を発達させていたことがわかる」
という内容ですが、この論文を私なりに説明しますと次のようになります。
生物が生き延びていくためには、自らの生存を脅かす「活性酸素」を消去する必要がありました。そこでそのための最良の方法として38億年前登場したバクテリアが開発したのが「水素分解酵素」で、これは分子水素を分解して原子水素つまり活性水素をつくるという方法です。これは最古の生命体が開発した最古の酵素であると推定されるのです。
そしてこの水素分解酵素は、私たち高等生物が持っているあらゆる「抗酸化酵素」の先駆的物質であったと考えられるのです。
地球上の生物はすべて植物も動物も「DNA生物」と総称されています。
これは、地球上の生物すべてがDNAという遺伝子情報を共有しているということを意味しています。つまり、私たち生物は「単一共通祖先」を有しているわけですから、私たちヒトの細胞内にも水素分解酵素が備わっているに相違ないと考えられるのです。
なお、活性水素(原子水素)の寿命はほんの数秒に過ぎませんが、分子水素の寿命は約十数分と考えられます。そこで分子水素の豊富な水を飲んで、体内でこの分子水素を分解して活性水素をつくり活性酸素を消そう、というのが私の理論であり提言なのです。
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